ふみちゃんが行く!

潜伏キリシタンの隠れ部屋を探せ!

天草・大江の民家に現存 全国でここだけ



 天草テレビ・花の女子アナことふみちゃんが、熊本県天草市大江地区の潜伏キリシタンをリポートします。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2018年6月30日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)について、世界文化遺産への登録を決めた。

構成資産の一つで熊本県天草市の「崎津集落」と同じ歴史を持つ天草町大江地区。その民家に残されたキリシタンの「隠れ部屋」が今、脚光を浴びている。

扉で隠された階段を登ると屋根裏部屋があり、そこで信者が密かに祈りを捧げていたという。「国内に現存するものは恐らくここだけ。大変貴重で珍しい」と専門家はいう。


同地区にある大江教会と海が見渡せる高台の傾斜地にある山下大恵さん(88)所有の民家。現在も住宅として使われている。

市の調査によると記録で1826(文政9)年の建立だという。入り口から正面向かって右手に土間、表に広間と座敷、裏手に勝手、納戸がある。一見すると天草地方の典型的な屋敷にしか見えない。しかし納戸の上に「隠れ部屋」が作られていた。


入り口が分からないように扉で仕切られている。その裏には取り外しのできる梯子(はしご)。天井部を板で塞げるようにしてあり、部屋をすぐにでも隠せるような状態だ。

「隠れ部屋」には背の低い「キツネ窓」と呼ばれる下地窓が作られ、奥には香台を設ける。ここではキリシタンがオラショ(祈祷)を唱え、祈っていたという。

同家にはそれを物語るキリシタン遺物のメダイなどが残されていた。山下さんの先祖は大坂夏の陣(1615年)の落人で、キリシタンだという。父が「なんどさん」と呼び、祈り用具の「ロザリオや鏡で拝んでいた」と話す。

市教育委員会は大江教会がある同地区も当初、崎津集落と共に世界文化遺産の登録を目指し、「隠れ部屋」などを始め、キリシタンの里として大江の農村景観の調査を行い、2013年3月報告書を作成している。

しかし文化財保護法の制定に地元の同意が得られず、断念した経緯がある。市世界遺産推進室丸林眞吾室長は「同地区は崎津地区と並び、大変貴重で、重要な場所に違いない。同じように情報発信して行く」と話す。

また、かつて「隠れ部屋」を訪れたことがある五野井隆史東大名誉教授は大江、崎津、今富(河浦町)、高浜(天草町)各村で5千人以上の潜伏キリシタンが検挙された「天草崩れ」(1805年)の後に、「監視が厳しくなったために造られたということだろうか。

信仰、祈りの場を維持したいとの思いの表れだろう。保存が可能であれば、是非維持して欲しいと思う。文化財としての指定を山下家が希望されるなら、生活に不便を来すと思うが、市または県が保護・維持のために動いて欲しい」と語った。

俳優の寺島進さんが読売テレビ番組「遠くへ行きたい」の撮影で天草へ。ふみちゃんの取材にも同行しました。

制作・著作 天草テレビ
(2018/7/15)


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◎読売テレビ「遠くへ行きたい」(2018年7月15日午前7時~7時30分)で放送
◎毎日新聞に掲載(2018年3月23日付朝刊)「生涯現役 女子アナ天草から世界へ 高齢化逆手に 各国メディアも注目」



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