野口雨情 未発表の詩発見!
天草初来島の年分かる
「赤い靴」や「シャボン玉」など国民的な童謡や民謡で童謡界の三大詩人と謳われた野口雨情氏(1882〜1945年)の未発表の詩がこのほど、熊本県天草市で発見された。
また、詩が書かれた短冊には裏書きがあり、雨情氏が天草に初めて来た年は1925年(
大正14年)であることが分かった。
詩は雨情氏直筆で、短冊に墨で書かれ、天草の山で雉子(キジ)が啼く様子を謡っている。
「山で雉子啼く雉子ャ天草の
山でほろゝとほろ叩く 雨情」
また裏には所有者であった野口仙太郎(元教師・天草市=1895〜1977年)さんが「大正拾四年八月十日朝野口雨情先生よりいただく 野口溪山」と自分のペンネームで書き記していた。
雨情氏はこれまで天草に三度、来島したことが知られている。
同氏は九州日日新聞の取材を受けて「多年憧れの天草へ」1934年(昭和9年)10月17日付の記事中、「天草は十年前に一度実地に来たことがある。(後略)」とその時は二度目であることを語っている。
短冊の裏に「大正拾四年八月十日」と書かれていることから、雨情氏が天草に初めて来た年は1925年(大正14年)であることが裏付けられた。野口雨情研究また天草文化史上、重要な発見といえる。
故・仙太郎さんの長男の嫁にあたる野口久仁子さん(80)は「義父は雨情氏が宿泊した旅館のご主人と同級生で、呼ばれて行きその時、書いてもらったものだろう。裏書きがあったことは今回初めて知った。お役に立ててうれしい」と語った。
(2013/1/17)
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