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天草郷土資料館所蔵「コレジオの鐘」は東京国立文化財研究所の化学的分析で、鉛同位体比測定し、東アジア以外で作られたとの結果が出たが、製作年代が不明のため、イギリスの国立博物館でビクトリア&アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)に鑑定を依頼したところ19世紀のもので、1840年〜1860年に作られた青銅の鋳物であることが分かった。

後に、天草郷土資料館の錦戸宏館長はこの鐘は古物商から購入したもので、東向寺(天草市本町)から出土したことを否定している。

   
鐘
    写真は天草郷土資料館旧蔵「コレジオの鐘」
鑑定
    写真はイギリスの国立博物館でビクトリア&アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)の鑑定書

鑑定の要約

問い合わせの「鐘」は19世紀の物でそれより以前では無いとかなり自信を持って
言うことが出来ます。
ハンドルについているモチーフは四つ葉(QUATREFOIL)や浮き彫りの点々等
ゴシック調のモチーフを使用していますがこれは1840-1860年代にヨーロッパで
造られた、青銅の鋳物の典型的な装飾方式です。
「鐘」本体の形と装飾についても、19世紀の物と推定します。
スペイン製である可能性はありますが少なくとも19世紀以前のものでは無いと
思います。


鑑定者
Anthony North(アンソニー・ノース)
VICTORIA & ALBAER MUSEUM(ヴィクトリア & アルバート博物館)
Assistant Curator (副主事)
Metalwork, Silver & Jewellery Collection(金属、宝石コレクション部)

3 August 1998.

(個人情報にあたる部分は加工しています)

 
       
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