日本に初めて持ち込まれた西洋イチジク/長崎の宣教師の庭に/実らず、普及、定着しなかった?!
イチジクは美容効果が期待され、栄養豊富なことで人気の果物だ。夏から秋にかけて青果店に広く出回るが、国内ではいつ、どこで栽培が始まったのだろうか。その謎を解く鍵は、南蛮の異国情緒あふれる長崎にあった。
リスボン大(ポルトガル)のペドロ・ラージュ・レイス・コレイア氏(註1)の研究論文によると、キリシタン時代の16世紀末、西洋から日本に初めて持ち込まれたイチジクの苗は白系(白イチジク)の「ブリゲソテス」で、長崎にあるイエズス会の宣教師たちのレジデンシア(駐在所)の庭に植えられたとする。
一般的に知られている赤紫色のイチジクではなく、白イチジクだという。一体、どんなイチジクなのか!?
イチジク属は約800種以上もあるといわれており、果樹の専門家で恵泉女学園大(東京)の小林幹夫名誉教授は「これまでに聞いたことのない品種だ」と話す。・・・
伝来当時、イチジクは何と呼ばれていたか?
宣教師たちはなぜ、イチジクを日本に持ち込んだのか?
イチジクはその後、どうなったのか?・・・
最新の研究を紹介しながら、その謎に迫ります。詳しく>>>
(2022/10/18)
(1)リスボン大のペドロ・ラージュ・レイス・コレイア氏(Pedro Lage Reis Correia.1973〜)〜アジア研究学科(歴史学)
Professor convidado/assistente na licenciatura em Estudos Asiáticos da Faculdade de Letras da Universidade de Lisboa (desde o ano lectivo de 2011/2012)
(*)写真提供=デルタインターナショナル。イチジクの産地として世界有数のトルコ産ドライフィグ(スミルナ系)を扱っている。