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シオマネキ
    写真上はシオマネキの雄(右)と雌(2023年6月5日撮影)
         
干潟   雄(右)と雌   再生ハサミとの違い
干潟
(上天草市松島町永浦島で2023年6月5日撮影)
  雄(右)と雌   オリジナルハサミ(左)と再生ハサミの違い
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ハクセンシオマネキ
巨大ハサミで誘う
求愛行動の謎


熊本県上天草市松島町永浦島の干潟ではハクセンシオマネキの雄が巨大ハサミを振り、雌を巣穴に誘う「求愛ダンス」が始まった。

ハクセンシオマネキはスナガニ科で、体長約2センチほど。雄は成長の途中、片方のハサミが落ちて、もう一方のハサミだけが約3センチほどの大きさになる。(註1)
全国でも有数のこの干潟ではこの時季から8月中旬までの繁殖期に観察ができる。

雌の争奪などで、ハサミを失うこともあるが、脱皮で再生することができる。しかしそれはあくまで急ごしらえで、貧弱なハサミは雄同士の取っ組み合いの闘争には滅法弱い。

熊本大の逸見泰久教授によると、雌は大きなハサミをより好む。再生ハサミは全体の長さはほとんど変わらないが、細長く、ハサミを閉じる筋肉が小さい。そのため争いには弱い。しかしオリジナルと再生ハサミを持つ雄との交尾の成功率はほぼ同じだとする。
「喧嘩には弱いが、求愛には大差ないことが分かった。見かけ掛け倒しの巨大ハサミで誘う"シグナル"を雌がなぜ見破れないのか謎だ」という。(註2) (金子寛昭)
(2023/6/11)

◎註:
(註1)和名「白扇潮招き」(はくせんしおまねき)。
ハクセンシオマネキは神奈川県以西の本州太平洋岸、四国、九州、朝鮮半島に分布し、河口付近の泥まじりの砂浜や転石海岸に生息する。
同じく準絶滅危惧から絶滅危惧II類に改訂されたが、21世紀初頭の時点ではシオマネキより生息地が多い。~Wikipediaから。

(註2)熊本大の逸見泰久教授(沿岸域環境科学教育研究センター) 「干潟のスナガニ類の求愛行動・闘争行動」JAMBIOニュースレター、マリンバイオ共同推進機構、2014年6月発行。研究紹介Report1、2頁。


 
     
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