ハーブのレモングラスやソラマメなどを燃やしてできる自然の灰を 釉(うわぐすり)に使い、原始的な穴窯で焼き、 独創的な焼物活動を続けている、 天草郡五和町御領の息峠窯(いこいとうげがま)の岡田佳史さんが、 廃品のレンガを譲り受け、自作の穴窯を製作している。
山深く、小鳥のさえずる息峠。 岡田さんは岐阜県多治見で修行、この地に窯を築き今年で30年目になる。 山の斜面を利用して、鉄砲窯または蛇窯と呼ばれる原始的な穴窯を築き、 釉(うわぐすり)には自然の木や葉を焼いた木灰釉を使って、 湯呑みや皿の日用雑器、壺や花器などを焼いてきた。
焼成にはガスを使わず、薪を使って焼く。 3日間徹夜の大変な作業だが、自動化されたガス窯で焼いたものと違って、 釉の色や土の焼け方にはしっとりとした味わいがある。
今回製作中の窯は「倒炎式平地窯」と呼ばれるもので、 薪の焚き口が左右2個あり、 窯内部に均一に炎が廻るという。
新しい窯で焼かれた作品は5月の「天草西海岸陶器祭」のころ、 窯出しされ、同窯元で展示・即売される予定。
Copyright,2001-2010 amakusa.tv. All rights reserved.